帝釈…
この男には先輩としての“プライド”などという言葉は無い。
文殊「俺、今年も八郎に出陣したいっス!!」
帝釈「行ってくれば。
ワシャ~銭が無いけぇ無理じゃのぅ (σ‐ ̄) 鼻くそホジホジ」
文殊「また銭無しか…( -。-) =3
車も出してもらうし、野陣装備も貸してもらいたいんで、
高速代おごってもいっスぜΨ(-◇-)Ψ」
帝釈「行かせていただきます!!」
(`O´)ノ
出陣
初日
この元気そうな写真とはウラハラに、八郎潟着陣早々体調不良を訴える文殊。
道中やけに咳き込んでいたのが気になってはいたが、
本人いわく、「姉ぇちゃんに風邪をうつされた!」とのこと。
年に一度行けるか行けないかの遠征で、斯様なていたらくぶり。
困ったものだ。。。
とりあえず野営準備やボートセッティングが終了したのは午後3時。
まぁ~日数には余裕があるので初日はガリガリと釣りに走らず、
東部承水路と本湖北部全域を偵察し、初日終了。
帝釈
初日
まさかのデコっぱち(爆)
帝釈「初日の目的は釣ることにあらず。
探すことにあり!ヾ(。`Д´。)ノ彡」
と、
あくまでデコっぱちを正当化する帝釈。
文殊「行きの道中で見ていた成田紀明殿のDVDが効いたのだ!!(`□´)」
2日目
2日目も贅沢に偵察日にあてる。
予想に反して本湖に大量のアオコが残っていた為、
流入河川を中心に偵察。
約2ヶ月前に醍婆と出陣した時から比べれば
アオコの量はだいぶ少なくなっていたものの、
無風になると水面はイイ感じでバスクリン状態になる(笑)。
晩夏のパターンを多少意識しながらいい水を探し、
サイズは今一つであったが、ソコソコの数を捕獲できた。
ここは醍婆と来たときもよぅ釣れたのぅ。
い~っつも居るって感じじゃな。
3日目
文殊の風邪はとうとう完全に本格化し、
夜な夜な激しい咳と高熱にうなされる。
風邪薬を飲み、就寝時間を午後9時に設定、
健康な生活を心がける。 (つうか、釣りやんねぇ~で寝てろよ!(`□´))
帝釈も感染防止のためマスクを装着。
ワカサギをたらふく食った本湖のブリブリ黒鱒君を期待していた両名だったが、
確かなパターンが見つけられない。
デカイ黒鱒君達がかなり浮き気味傾向にあるのはなんとなく分かるのだが、
今ひとつ決め手に欠ける状態だった。
本湖の2~3.5mのボトムをラバージグ、ダウンショットなどで探れば
単発ではあるが、まあまあサイズが釣れることは釣れる。
そうかと思えば、水深4mの表層近くで02に食ってくる黒鱒もいる。
ん~難しい…( -。-) =3
しかし間違いなく言えることは、全体的に『活性は低い』ということだ。
文殊「パッとしまへんな~( -。-) =3」
帝釈「いや~魚はイッパイいるはずなんだけどねぇ~┏(-_-;)┓」
文殊「決め手はなんスかねぇ~?」
帝釈「風とワカサギだと思うんだがね。
まぁ~時間はあるし、ネチネチと探してみるわさ。 (σ‐ ̄) 鼻くそホジホジ」
大黒鱒を捕獲したいのは山々だが、
八郎潟まできて拾い釣りというのも芸がない。
やはり遠征軍の楽しみは“祭り”であろう。
※祭り=入れ食いモード。
午前中に本湖でまあまあサイズを拾い釣り。
午後から数が釣れる東部承水路に救いを求めるという
良くないパターンに陥ってしまった。
少々やるせなくなってきたので、毎度八郎潟のリアルタイム情報を頂いている
「エスカーラボートサービス」の海上剛さんに連絡し、御教示を仰ぐことにした。
帝釈「ど~も~侍で~す、非常に困って御座るぅ (T△T)/~」
海上「いや~結構キビシイですね~
この時期にこれだけのアオコが残っている事が異常なんですよ」
と、お困りのご様子。
ガイドでも中々に苦戦しているようだった。
しかし、とりあえず本湖南岸の塩口付近がマズマズとの情報を入手。
よって、午前中は比較的アオコの少ない南岸の塩口リップラップ、
荒れたらお承水(東部承水路)をバックアップに設定。
(結局あまり戦略は変わっていない(苦笑))
塩口リップラップを真剣に釣るのは初めて。
水深は平均的に浅く、岸際のゴロタとチョイ沖のこぼれゴロタがポイントか。
ラバージグとDoさんでポツポツ捕獲。
帝釈「ボート際で食ったコイツは中々のファイトじゃった!」
文殊「くそ~っ確変3回で終了かぁ!でもチョッとした祭りだったにゃ~( ̄▽ ̄)ノ」
文殊「イヒヒ、これを投げなきゃ俺じゃないっしょ、
総帥の大嫌いなバズベイトでっせ♪♪ ψ(`∇´)ψ」
帝釈「そんな金物は釣れる気がしねぇ~ヾ(。`Д´。)ノ彡」
とか言いつつも、文殊の隣りでカチャカチャと音を立てていた帝釈。
しかしノーバイト。。。
文殊に触発され、バズベイトに結構な時間をかけていた帝釈。
しかし、
結論から言うと、この遠征中バズベイトでの捕獲ゼロ。。。
帝釈「だからコレ嫌いなんじゃい!!ξ\(`O´゛)」
本湖が荒れてきたので、仕方なくお承水に非難。
帝釈「やっぱココしかねぇ~のか、面白うないのぅ ( -。-) =3」
サイズに勢いがあるわけでもなく、かと言って爆裂連荘するわけでもない。
必然、気合も入らない。
しかし、昨日までとは明らかに違う状況に気付く。
風向が一変、しかもかなりの風量。
お承水西岸に吹きつける風は、ボートポジションを維持するのも難しいほどだった。
コレじゃ!コレを待っておったんじゃ!!
小躍りする帝釈。
♪┏(●`ε´●)┛♪┗(●`ε´●)┓♪┏(●`ε´●)┛♪
帝釈「水にパワーを感じるぞ!! (゛`O´)/」
文殊「ホンマかいな ( -。-) =3」
何の変哲もなく、ただ真っ直ぐなショアライン。
100メートルそこそこの“リップラップストレッチ”に侍一号をステイし、
よ~~く観察すると、
強風により岸から2m幅くらいで帯状の濁りが出来ていた。
文殊「濁ってますのぅ~」
帝釈「コレじゃコレじゃ♪♪ o(>▽<)o」
その濁りの切れ目に放った帝釈の1投目。
帝釈「うぉらキターー!!
(;`O´)o/ ̄ ̄~ >゜))彡」
1投目から帝釈のエッジが唸り、止まることなく釣れ続く。
釣りも釣ったり24連発。
アワせるたびにデカイ声で熱唱する帝釈。
歌はサブちゃん♪♪
「♪ま~つりだ
祭りだ祭りだよぉー♪」
♪~θ(`0 ´)( `0´)θ~♪
祭りだ!!
バカヤローーー!!!
(|||ノ`□´)ノ
サブちゃんを狂気熱唱しながら次々に黒鱒を抜き上げる帝釈。
まさにカツオの一本釣り状態。
帝釈「しゃ~っしゃっしゃっしゃぁ~~
サブちゃんソングは船がよう似合うのぅ!!
~(`0 ´~)(~ `0´)~」
突然猛爆を始めた帝釈に、完全にペースを崩された哀れ文殊。
この祭りのさなか、文殊は2尾捕獲のみ。
文殊「ここまで来てソレ使うかねぇ!! ヾ(。`Д´。)ノ彡」
帝釈「あん?ルアーのことかい? ( ̄ー ̄)」
文殊「そりゃないっしょ総帥! ヽ(#`皿´)ノムキー!!」
言うまでもなく、そのルアーは第六天魔王02。
此度の遠征で帝釈は、02の封印を誓っていたのであった。
帝釈「まぁまぁ落ち着きなさいよ
ピンクが余ってたもんでついさぁ~ ( ̄▽ ̄;」
文殊「まったくもう! (`ヘ´)」
ひとしきり祭りを堪能し、ポイント移動。
葦とゴロタエリアに到着。
ラバージグで根掛かりと格闘する文殊を横目に、
快調に黒鱒を捕獲し続ける帝釈。
帝釈「よし、んじゃ02貸してやる
そのラバージグのトレーラーにしてみんしゃい」
帝釈からせしめた02をラバージグのトレーラーに装着した文殊だったが、
見た目のバランスの悪さにかなり引き引き。
しかし、その不安は一気に解消されることとなる。
02トレーラーにした直後からバイトが多発。
あれよあれよで12尾捕獲。
文殊「コ、コレやべぇ~~へ(゜∇、°)へ」
「♪ま~つりだ
祭りだ祭りだよぉー♪」
♪~θ(^0 ^)( ^0^)θ~♪
祭りにゃぁーーー!!
へ(゜∇、°)へ
4日目
連日ソコソコの黒鱒君を捕獲してはいるものの、
サイズが今一つなのと、この時期の恒例行事と聞く
“ワカサギ大食い選手権パターン”が掴めないのが消化不良のもと。
さらにはこの時期好調であるはずの本湖が今一つパッとしない。
何が違うんじゃぁーー!!
ヾ(。`Д´。)ノ彡
第3~第4ポンプ間の2.5~4mのブレイクに付いている魚が
浮いているのは分かっている。
まぁまぁサイズが単発で浮いているという印象で、
釣りづらいといえば釣りづらい。
今日までの戦果を統合し、無い知恵絞って帝釈が出した答えは、
ワカサギの動きにかなり支配されるものの、
「やはりシャローの黒鱒君に照準を絞るべき」
というもの。
朝イチ、本湖北岸の第2~第3ポンプ間のシャローに入った帝釈、文殊。
単発ではあったが、ここで1400gのグッド黒鱒を帝釈が捕獲。
この1尾が後の展開を大きく変えることとなる。
「我れ、見切ったり…
狙うは水深1m以内じゃ ( ̄ー ̄)ニヤリ」
しかし、どうしても第3~第4ポンプ間のディープを捨て切れない帝釈。
この日も執拗に攻める両名であったが、やはり撃沈。
さらには東岸の流入河川入口周辺のリップラップを攻めるも、これも撃沈。
仕方なく昨日の「祭り」を再現するためお承水に入ったが、
昨日とはうってかわって完全無風。
前日にあれほど猛爆したリップラップも嘘のように完全沈黙。。。
文殊の進言により、さらにお承水を北上、東岸の島まわりのリップラップに
風と多少の水の動きがあったのでチェック。
名付けて「文殊リップラップ」(笑)
流石は名付け親(笑)、文殊がクリーチャーのテキサスリグで執念の捕獲。
(`O´)ノオー!!
とりあえず黒鱒君を拝めたということで、次なるエリアを探す。
我らZENJIN衆の八郎潟遠征といえば、絶対に外せないエリアが
『柳ブレイク』
(過去の出陣記参照)
ダメだと分かっていながらも、あの頃の猛爆が忘れられない帝釈。
普段ビジブルカバーばかり釣っている文殊にとっては、
沖のブレイクで集中力を維持するのは難儀なことであったが、
これもまた経験である。
柳ブレイクを釣りはじめて5分。
予想通り文殊がギブ…(笑)。
何にも見えねぇと釣れる気がしねぇ!!
(゛`O´)/
しょうがねぇ奴だ、まぁ休憩でもしとれ。
(  ̄з ̄)~♪ スゥィースー
1.2~3.7mまで落ちるブレイクラインを、お約束のLV-200で舐めまくる帝釈。
しかし、まったくアタリなし。
ストレッチも中盤にかかり、諦めかけた帝釈であったが、
遂にVグラスがネジ曲がった!!
キター!(;`O´)o/ ̄~ >゜))彡
これで悔い無し。
By 帝釈
昨日とはうって変わって激貧の戦果となったが、
「夕方のワンチャンスはやはり水面系で釣りたい」との文殊の要望により、
帝釈ご推奨のお承水鉄板ピンスポットにGo!
本日の文殊の貧戦果を憂えた帝釈は、
鉄板のピンスポットを文殊に全面譲渡。
珍しく優しさを見せた総帥の恩に報いるべく文殊も大健闘。
痩せてはいたが見事1投目で捕獲し、
気持ちよ~く本日フィニッシュ。
とりあえず、どうにかこうにかお約束のLV-200で捕獲出来たが、今年も不調だった…。
とりあえずワシの口は“柳ブレイク”の『ク』じゃ。
5日目
第五回八郎潟遠征軍も終盤に入った5日目。
お承水02パニック、柳ブレイクで執念の捕獲、東岸流入河川ピッチング大会、
そして新たなるエリア塩口リップラップの開拓と、
まずまず楽しめている帝釈。
風邪っぴきの文殊も、昨年のストレスを発散するかの如く、
様々なルアーで捕獲し、まぁまぁ楽しんでいる。
しかし、何かが足らない…。
秋の八郎潟といえば、それはやはりブリンブリンで、コロンコロンで、
ワカサギで胃袋が張り裂けそうな、スーパーナイスバディの黒鱒君捕獲であろう。
昨朝の1400g捕獲により、
「我れ、見切ったり…( ̄ー ̄)ニヤリ」
と、何かを確信した帝釈。
超早朝から勝負に出ると思いきや、
以外にも少し出陣時刻を遅らせると宣言。
文殊「なにゆえに出陣を遅らせると?」
帝釈「まぁアセるなって、出陣してもいいけどお承水しか行かないよ」
文殊「本湖で勝負するんじゃないんスか?」
帝釈「勝負するよ、でももう少し遅いほうがいい」
文殊「なんでぇ~~??」
帝釈「渋滞してるからな ( ̄ー ̄)ニヤリ」
文殊「渋滞?漁船のことスか?」
帝釈「左様。 (_ー_)逆ニヤリ」
意味不明な帝釈の回答に??の文殊。
しかし、帝釈がやたらと遠まわしに勿体ぶって語る時は、
高確率でイイ結果が出ることを文殊は知っている。
文殊「なんかあんだろうな…」
のんびりと侍一号をセッティングし、
ちんたらちんたらと本湖へ向かう。
帝釈「おぉ~相変わらず渋滞しとるのぅ」
文殊「やっぱ漁船のことかぁ」
帝釈「左様。そして狙うは●●丸ただ一艘じゃ」
※●●丸とは漁船の名前。
文殊「●●丸ただ一艘って、船狙ってどうするんスか?」
帝釈「まぁ見てろって ( ̄ー ̄)」
この時期の早朝は、ワカサギ漁をする引網船が多数本湖を往来する。
漁船の邪魔にならないように釣りをさせて頂くためにも、
デッドスロー、もしくは何度も停止して各漁船の動きを確かめながら
ボートを動かさなくてはならない。
どうにかこうにか第2~第3ポンプ間のシャローへ侍一号を浮かべた帝釈。
すぐさまキャストを始めるかと思いきや、なぜかアイドリングで待機。
文殊「釣らないんスか?」
帝釈「狙うは●●丸ただ一艘と言ったじゃろうが。
水深1mくらいを引けるルアーを結んで待っておれ」
とりあえずX-80を結び待機する文殊。
そして待つこと10数分。。。
帝釈「来おったわい ( ̄ ̄ー ̄ ̄)」
文殊「ん??」
エンジンを停止し、ようやっとエレキを下ろした帝釈。
その指差す方向から、二艘の漁船がゆっくりと近づいてきた。
帝釈「とりあえずあの船をやり過ごす。
二艘の後ろ、少し離れたところにブイが浮いとるじゃろ」
文殊「おぅ」
帝釈「あのブイが引き網の最後尾じゃ。
ブイが通過し、安全な距離が確保できた時、合戦の狼煙が上がるのだ!」
漁船が通過するであろうコースの、さらに岸側のドシャローに待機した両名。
侍一号の前をゆっくりと漁船が通過する。
よく見ると一艘の船側面に●●丸の文字が…。
文殊「ぬわ、なんで漁船の名前知ってんの? ( ̄ ̄;)」
帝釈「(|||ノ`□´)ノいざぁーーー!!」
文殊「お、おぅ~(`O´)ノ」
掛け声とともに帝釈が放った4投目。
ルアーは02。
どりゃせぇーー!!!
(;`O´)o/ ̄~ >゜))彡
開始早々1300gを捕獲した帝釈は、
己の読みが当たらずとも遠からずと判断。
そして数分後。
しゃりぁーー!!!
(;`O´)o/ ̄~ >゜))彡
写真では分かりづらいが、これも1200gオーバーの黒鱒。
豪腕ブチ抜きを信条とする帝釈にしては珍しくグラウンドランディング。
開始15分で1200、1300gを連続捕獲した帝釈。
その勢いは止まることなく、さらに10分後…。
今度はデカイぃーー!!
(;`O´)o/ ̄~ >゜))彡
先の2尾も十分にグッド黒鱒であったが、
今度の黒鱒は明らかにビッグな手応え。
文殊「ふ、ふ、太すぎる…( ̄▽ ̄;」
ワシって天才かぁ!
此度の遠征最大の兜首。
46.5㎝ 1750g。
悲願の50オーバー!とまではいかなかったが、これにより完全にツボにはまったことを確信した帝釈。
写真撮影もソコソコに、
水深80㎝ほどのドシャローにある、こぼれゴロタをテンポよく探る。
さらに5分後、またしても楽勝キロオーバーの黒鱒を捕獲。
帝釈「ヤ、ヤ、ヤバイ…
マジでイッてしまいそうだ…( ̄¬ ̄*)」
02による“大黒鱒劇場”を堪能する帝釈。
その横で文殊も頑張っていたのだが、バイトがない…。
せっかく八郎潟まで来たんだから、ハードルアーをグリグリ巻いて、
景気よく釣りたい!!
そんな文殊の気持ちもよく分かる。
その思いが通じたのか、
X-80を信じ、ひたすらに放り続けた文殊に待望のバイト!!
文殊「キタけどちっちゃ~い!
( ;^)/~~^>゜))彡」
小型ではあるが、ハードルアーでなんとか捕獲した文殊。
これにより流れが変わるかに見えたが、
帝釈の勢いはまったくとまらない。
その後も、1300gから1500gの黒鱒を連続捕獲。
このラッシュはフィーディングによるものであり、そのキッカケとなっているのは
漁船の通過であることを確信した帝釈。
そしてその性質上、「祭りは短時間で終わる」と判断。
とにかく釣りきることを最優先することにした。
ようやっと本湖の“お祭り会場”を探し当てた帝釈。
数こそお承水パニックには及ばないものの、サイズは断然大型である。
バックシートの文殊はというと、どうにか1尾捕獲に成功したが、
今一つ乗り切れない。。。
しかし、ここでも彼は「02下さいよ~!」とは言わなかった。
「なんで~?!」「マジでぇ~?!」
と首をかしげながらも、決して安易な道は選ばず、
己の力で答えを探そうと努力していた。
フロントデッキで釣り続けていた帝釈は、
その頑強な文殊の心意気を嬉しく思っていた。
「文殊よ、その心意気はいつか必ず実を結ぶ日がこようぞ」
ある職業黒鱒釣師の方は言っていた。
相手は自然だから、“偶然”ということはよくあること。
でもその偶然というのは人間から見ての偶然であり、全ては“必然”である。
目で見たこと、肌で感じたこと、ほんの些細な情報も漏らさず、
自分の引き出しに叩き込み、積み重ねてきた経験と知識をもって、
起りうるであろう“未来”を予知することが重要なんだと。
帝釈は陣場をよく知っているわけではない。
ましてや釣りが上手いわけでもない。
ただ、色々な物をよく観察する男であることは確かだ。
この日の偶然も、引き出しの中の経験から引っぱり出したエリア設定と、
なんとなく観察していた漁船の動きが上手くリンクしただけのことである。
帝釈談。
別に難しいことはやってないし、出来るわけもない。
あえて1つだけ言わせてもらえば、
遠征軍にかける『情熱』が他とは違う。
今まで数多くの遠征軍を経験してきたけど、
「疲れた」と思ったことは一度もない。
毎日睡眠4時間くらいで15時間も釣りしてれば、
そりゃ~肉体的にはシンドイこともあるけど、
休みたいと思ったことはただの一度もない。
まぁ~いろんな人と遠征軍を共にしてきたけど、
みんなすぐ疲れちまう。俺にはそれが理解できない。
俺がなぜ疲れないかと言えば、24時間バス釣りのことを考えていられるからだ。
「大好きなバスを追うことだけに全ての時間を費やす」
こんな至福の時間は、俺にとっては夢の時よ。
疲れるわけねぇ~じゃん。
夜だってそうだ、
今まさにテント横の水中で泳ぐバスが何を考え、明日はどう動くか。
想像しただけで心拍数がガンガン上がってくるよ。
もし眠らないで体が持つなら、絶対24時間釣りするね。
それが無理なら夢の中でもバスを追いてぇ。帝釈は病気なのである。(笑)
さて、X-80を信じて投げ倒していた文殊であったが、
ここでようやっと2尾目を捕獲。
しかし、またしても小型…。
なんでやねん!!
とりあえず、一気に1200オーバーを8尾捕獲した帝釈。
しかし、バイトの数が確実に減ってきたことから
“祭りの終焉”が近いことを悟る。
「大黒鱒をあと1尾!」
帝釈の願いが届いたのか、表層近くをトゥイッチしていた02が
再び押さえ込まれた。
よっしゃーーー!!
(;`0´)o/ ̄~ >°))彡
9尾目になる黒鱒に豪腕アワセをくらわした帝釈、
ファーストコンタクトで2.3回首を振った黒鱒君の重量感は申し分なかった。
帝釈「またまた太いよこりゃ~!
(^O^)o/~~^>*))彡」
バットに十分な重みを感じながら、
嬉々としてファイトを楽しんでいた帝釈であったが、
さらに黒鱒を寄せようとロッドを引きつけた瞬間、
テンションがゼロに…。
帝釈「切れたか…スマン黒鱒君よ…(T△T)」
デカかったであろう黒鱒君に詫びを入れながらラインを巻き取ると、
なぜかラインに僅かな抵抗を感じた。
「なぬ?」
正体を探るため先端を見ると、ワームフックがそのまま付いている。
「ありゃ?バレただけ?」
とフックを手にとり確認すると、
「折れてる…( ̄▽ ̄;」
帝釈「いや~新品のフックだったからな~
兜首の連続捕獲による金属疲労ということにしておこう。
いや、そうに違いない!それだけワシは頑張ったということじゃな!
しかし、黒鱒君が可哀想なことに違いなし。
黒鱒君、申し訳御座らぬ…(T-T)
9尾目を獲りそこねたところで何気に湖上を見渡すと、
ほとんどの漁船団が、ゆっくりと塩口方面に退却を始めていた。
漁船の退却に合わせたかの如く、見事にその後ノーバイト。
祭りは終焉となった。
帝釈
適当解説。
毎年この時期の定番エリアとして第3~第4ポンプ間があるんだけど、
この日までに釣りをした3日半、今一つパッとせんかった。
3.5mラインの表層から中層にデカイのが浮いている印象だったが、
ワシの貧相なテクニックでは太刀打ちできんかったのよ…(涙)
でも毎年の好調エリアだけに、イイ印象が捨てきれなくてよ~。
だから今度はディープに魚を求めてイロイロやったんだけど、
やっぱダメだった。。。
んでまぁ勝手に「絶対的に個体数が少ない」との結論に至ったんだわさ。
なんらかの理由で本湖の魚がお承水や流入河川に上がっているのかな?
とも思ってイロイロ回ったんだけど、やっぱりサイズがよくなかった。
海上さんも言ってたとおり、この時期にしては本湖にアオコが残り過ぎてて、
基本的に魚の活性はすこぶる悪かったから、
少しでもヤル気のあるやつがどこにいるか?もしくは行くか?
に的を絞って考えた結果。「ドシャロー」の結論を出した。
例年この時期に比較的イイ釣りが出来ていた第3~第4ポンプから
一番近いドシャローにエリアを絞ったんだけど、
ただドシャローっつうだけじゃ甘いから、この時期に外せない要素として
ワカサギの動きを絡めようと思ったわけ。
んでも俺らのように八郎潟にタマ~~にしか行けないやつらに
ワカサギの回遊ルートなんか分かるわけないから、
一番手っ取り早い方法として、ワカサギ漁船の動きに注目したのよ。
漁師の皆様にとっては、回遊コースの熟知度が即生活に関わってくるわけで、
これに関しては鉄板でしょ。
ワカサギに関してはこの時期の最重要ファクターだから、
本湖の漁船の動きは毎朝なんとな~く観察してたし、
それぞれの漁船が大体同じコースを通っていることも気付いてた。
本湖全体のあらゆるところを漁船が網を引くわけだけど、
この時点の結論として、ヤル気のある黒鱒君達は「ドシャロー」と決めていたから、
沖や、ショアから少し離れたところを引く漁船はすべて捨てて、
ドシャローにエリアに最も近づく漁船をチェックしたわけ。
前日の朝に一番岸近くをなめるように引いていた船が●●丸だったんだけど、
そのコースっていうのが、運よく俺が狙っていたエリアとドンピシャだったのよ。
キタキター!って感じで確信めいたものはあったんだけど、
実はまだ結構ディープに未練があったのも事実。(´Д`;)
でも、翌朝狙い通りに●●丸が来たときはシビレたのぅ~!!
んで戦果はご覧のとおりだわさ。
んまぁ、あそこまで大型ばかりがかたまって釣れるとは思わなかったけど、
俺が探していたのはあのサイズだったわけで、
昼間ディープでボヨヨ~ンと浮いてたデカイやつらが、
朝だけあそこでフィーディングしてたのかも知れないな。
しかし文殊が釣った2尾はナンだったんだ?
ありゃ明らかに違う魚だったな(苦笑)
とにかく今回の遠征軍で最大の見せ場じゃったのぅ!
とてつもなく気持ちエがった!!!
5尾、7200gオーバー。
今遠征で第一の痛快劇で御座った。
今遠征軍でのMVPルアー。
DEEP-X 100
今年から使い始めたルアーなんだけど、
将監でも今年は調子よかったし!
これからも頼んますよ!!
2.5mくらいのところをラバージグで。
これこそがジグのアタリ!!ともいうべき、
絶妙のアタリだった!
ゴツンッ!って感じで、
シビレました!!
塩口リップラップで“祭り”を誘発したDEEP-100がここでも活躍してくれた~♪
色は共食いパターンのバスカラー(笑)。
自己記録更新の一撃。
途中ゴロタに引っ掛かったんだけど、黒鱒君が勝手にエスケープ♪♪
前日に本湖がダメダメで、お承水に“復活祭”を期待したんだけど、
とにかく無風でシブちん状態だった。
そん時に総帥が「あのまま本湖で粘ってれば、単発でもデカイの釣れたかもしれん」
って言ってたんだけど、その言葉が妙に印象に残ってたんスわ。
とにかくデカイのが釣りたかったし。
だから今日は、とにかく本湖を信じてやり続けようと思った。
マジ魂入ったっス!!
6日目
そしていよいよ最終日。
昨日の大黒鱒フィーバーにより、“やるべき事はやりきった”感がある帝釈。
遠征軍の度に何かしらのドラマはあったが、今回の出来事は格別であろう。
しかし、そこは無類の黒鱒釣りバカ野郎。
釣りのDVDでオナニー出来るのはこの男くらいなもので、
黒鱒釣りへの欲望は尽きることはない。
しかし帰り支度の時間を考えると、丸一日は釣りが出来ない。
よって、本日最終日はこれからの活躍へ期待を込めて、
エリア選定、操船、その他すべてを文殊に託すこととした。
ん~タマにゃ~バックシートでのんびり釣りも悪くにゃぁでよ~( ̄▽ ̄)ノ
まずは朝イチ、昨日の『●●丸パターン』の残党を捕獲(笑)。
昨朝とはまた別のスクールが回ってくることを期待したんじゃがのぅ~。
サイズはやはり良かったが、
数が今一つじゃったな。
2尾捕獲で終了。
「己で魚を探してみせい!!」
と、帝釈に叱咤された文殊。
大荒れの本湖北岸で執念の捕獲。
価値ある1尾だ。
う~む、サイズは中々じゃが、
色艶が悪いのぅ。。。
南岸のシャロー、特に天王周辺の黒鱒君は、皆こんな感じじゃったな。
関係ないけど、ワシの顔色も悪いのぅ。
これ日焼けじゃないのよ、熱で赤いの。
クソッ!!
全ては文殊が元凶じゃ!!!
ヽ(#`皿´)ノ
あ~ダリ~(´Д`;)
最終日の最終エリアはお承水。
最終最後で数釣りに走った文殊。
まぁ最後は釣って帰りてぇもんな。
許してつかわす。<( ̄^ ̄)>
02を装着したラバージグにより、
ハイペースで7尾捕獲。
文殊「しっかしよく釣れるわ!
マジ帰りたくねぇ~!!Y(>_<、)Y
スペシャル客人
B.File KAWAI君
この日、友人と陸っぱりに来ていたB.Fileのカワイ君。
戦果は今一つの様子だったが、黒鱒釣りを心から楽しんでいる雰囲気に、
ワシの心が洗われていく心地がしたのぅ。
黒鱒釣りを通して、遠方の友人ができ、また再会を誓う。
ワシはあと何度彼等と会うことが出来るのじゃろうか。
遠征軍最終日にして会うただけに、感慨もひとしおじゃのぅ。
遠き友よ、また会おうぞ!
そして、いつか必ず刃を交えようぞ!!
秋は深まる、日は暮れる。
さらば八郎潟。
総評
結構盛り上がったわい。
色んな釣りも出来たし、しっかりと武功も挙げたし。
ワシ的にはかなり満足のいく遠征軍じゃったのぅ。
ただ、文殊の風邪には正直参った。
結局ワシも完全感染だったからのぅ。
なんちゅうかその、全てにおいて厳しさが足らんのよ。
これから気をつけい!!!
弥勒、不動、醍婆、文殊、阿修羅
多くの者共と戦場を共にしてきたが、
此度で八郎潟遠征軍はひとまず幕引きじゃな。
皆の者、熱き思い出を忝い。
<(_ _)>
何年かかるか分からぬが、必ず黒鱒大型鉄甲船で出陣致したい。
その時はまた同陣してくれい。
重ねて感謝致す。
<(_ _)>