師匠板坂率いるTEAM-Bright Currentは、
TBCトーナメントの上位常連軍団。
師匠板坂自身はTBCトーナメントに於いて、2度の優勝を果たしている。
此度は利根川氾濫により、将監川へ陣場変更したB.Cトーナメント第四戦に、
有難くも帝釈が御招待を受けた。
B.Cトーナメントは基本的にペア戦ということで、
我がZENJIN軍からは文殊に出陣命令を下知し、
決戦場へと向かう。
B.Cトーナメント規定
バッグリミット 5尾
キーパーサイズ 30㎝以上
『ご恩返し』
此度の招待試合は、帝釈にとってそんな気持ちであった。
「釣れなくてもいい
ただ、師匠板坂殿に我が全魂をぶつけるのみ!!」
師匠板坂とは前週に同陣したばかり。
その際、帝釈が見せた釣法に
「底無し沼」と命名してくれた師匠板坂。
ここは是が非でも底無し沼を押し通し、
たとえ討死したとしても、己が魂魄を叩きつけることこそが、
師匠板坂に対して最大のご恩返しである。と心に決めての決戦となった。
戦果
かなりの強風と濁りにより、苦戦をしいられた両名。
午前11時を過ぎた時点で、帝釈、文殊ともに1バイトのみ
という厳しい状況に追い込まれていたが、
帝釈に焦りはなかった。
そもそも底無し沼とは、
「討死か、大将首捕獲か」の博打釣り。
全ては想定の範囲内である。
中途半端な戦略変更には、死あるのみ。
この死とは、「デコ」の死ではなく、
「魂」の死である。
帝釈にとってのこの決戦の意義は、
『底無し沼との心中』にあった。
決戦終了まで残り2時間となり、
文殊が切腹の準備にとり掛かろうとしたその時、
眠っていたはずの底無し沼が突如炸裂。
一気に9バイトを誘発し、7尾の黒鱒を絡め捕る。
キーパーは4尾。
あっという間の出来事だった。
傍らにいた文殊が、ランディングネット専任となったほどに
その勢いには凄まじいものがあった。
途中、楽勝キロアップを目の前でバラすという痛恨の事態が発生したが、
それはロッドのアワセ折れによるものだった。
「バキッッッ!!!」という甲高い音とともに
帝釈最愛のロッド、エッジプライド563がバットから真っ二つに。。。
グリップに僅かばかりのブランクが残る状態で
強引に巻き続け、なんとか黒鱒を浮かせたまではよかったが、
折れた際にフッキング力が吸収されてしまったのであろう、
黒鱒に手が届くところで痛恨のバラシ。
辛抱に辛抱を重ねた底無し沼が炸裂を始め、
そして待ちに待ったキロ黒鱒のバイト。
その直後のロッド死亡、さらにバラし。。。
普段の帝釈であれば、この時点で勝負を投げていたであろう。
しかし、この日の帝釈は違った。
グリップにガイド一個分のブランクスが付いたロッドの残骸を静かに置き、
眉一つ動かさずエッジプライド604を握って再び戦闘を開始。
その僅か10分後、今回のビッグフィッシュ賞となる1200g黒鱒
のアゴを帝釈はガッチリ掴んでいた。
「これが底無し沼の怖さよ…」
楽勝キロアップを目の前でバラし、リミットメイクこそ出来なかったが、
4尾推定3100gの黒鱒をライブウェルに叩き込んだZENJIN軍は
悠々とウエイイン会場へ帰陣。
「負けて悔いなし、後は師匠の黒鱒を拝むのみ」
しかし、結果は見事に
ZENJIN軍優勝。
5尾2980gを持ち込んだ師匠板坂チームが第2位であった。
どうじゃ!!
帝釈談
ひぇぇぇ~やっぱ師匠板坂はヤバイわ。{{{(+_+)}}}
オレさ~負けて悔いなしとか言ってたけど、
本当は勝ったと思ってたんよ。
文殊がテキサスやらなんやら普通の釣りしてても全くバイトがなかったし、
風もかなり酷かったから、他の人達もキツイだろうなって。
だから板さんが5尾持ってきた時は正直ビビッたわな。
やっぱあの人は恐ろしい御仁よ。。。
文殊談
他の参陣者の方々が2人で1尾がやっとの状況で、
まったく板さんはヤバイ人ですよ。
帝釈殿の釣り方はある意味飛び道具なんで
今回はハマッタからよかったんだろうけど、
板さんは普通に釣ってあれだけ持ってきちゃうんだから。
ホント、何が違うんでしょ…。(-“-;) ??