寒いのぅ。

毎日寒い日が続きますのぅ。
この寒さでは黒鱒君達の動きもさぞかし鈍かろう。
まぁハイシーズンになればまたドッと押しかける黒鱒釣師を相手にせねばならぬゆえに、
冬の間だけでも休んで頂きたいものでござるな。

もうかれこれ25年以上前にもなりましょうか、当時は「バス釣り」=「夏」と思われておったような。
今考えれば笑うてしまうような話でございまするが、誠の話でござる。
拙僧が尊敬する御仁の1人に西山徹氏がおりますが、氏は真冬の河口湖で次々とバスを釣り上げ、「冬のバス釣り」というものを見せて下さった。拙僧は当時寺子屋通いであったが、無茶苦茶シビレたことを覚えておりまする。

しかしながら、やはり冬はなかなか釣れんもんじゃ。
他の季節と比べれば間違いなく釣れる数は少ない。
そんな中、冬バスに関して各誌の大見出しは如何なものかのぅ。
「冬のビッグバス攻略法」の表紙はもう見飽きてござるわい。
確かに冬季捕獲される黒鱒は大きい傾向にあるのは事実。大型の固体は代謝の関係上それだけの栄養を必要とする。皆が釣りをしやすい浅場に厳冬期に居残れる黒鱒は体力のある大型が多いのもまた事実。
しかしながら、毎度毎度のあの大見出しにはいささか食傷気味で御座いますな。
売れてナンボで御座れば致し方なきことなのやも知れませぬが、さも容易に釣れるかの如き表現はあまり宜しゅうないかと存じます。貴公聡明なる智慧を持ちて、冬の黒鱒と対峙して頂きたきもので御座いまする。