越後某野池遠征軍

2003/8/13.14
越後某野池遠征軍

8月11日(月)午後7:30
<帝釈携帯鳴る>

 

帝釈「はいはい」

秀「お~帝釈、ちいとお願いがあるんじゃが」

帝釈「へいへい、なんで御座いましょうか?」

秀「エレキのバッテリー貸してくんない?」

帝釈「いつで御座いまする?」

秀「明日の夜から15日まで」

帝釈「う~む、それがし13日に弥勒と利根川に出陣予定にて、
ちいと厳しいで御座いまするが
ソルトマン(海でルアー釣りする人)秀殿がエレキをご使用になると?」

秀「ちょいと新潟に、雷魚を釣りにと思うてのぅ」

帝釈「なんと!秀殿は雷魚もヤルすか?!」

秀「ワシの友人が雷魚マンなのじゃが、それでワシもたまに行くんじゃ」

帝釈「雷魚か…行きたいですのぅ…」

秀「帝釈も来るか?」

帝釈「マジすか!行きます!!
щ(=`□´щ)オオオォォォ!」

 

帝釈の脳髄からは、もはや利根川の黒鱒は消し飛ばされ(笑)
遠く越後の野池で暴れ狂う雷魚君に想いは飛んでいた。( ̄▽ ̄).o○

 

 

帝釈&弥勒&不動は昔同じバイトをしていた。
弥勒&不動は、ずっとそこで今も働いている。
此度の利根川出陣は、営業所は違うが同じ会社の同僚で
利根川陸っぱりマスタートール殿
(家頁【TEAM-AKABO】管理人)のガイドで、
弥勒が出陣を予定しており、
オマケで帝釈も連れて行って貰う予定だったのだ。

 

 

帝釈「弥勒、俺さ秀殿たちと雷魚行ってくる」

弥勒「どこ行くすか?」

帝釈「越後」

弥勒「ひえぇ~気合入ってますのぅ」

帝釈「うむ。弥勒はしっかりと利根川陸っぱりマスターの
トール殿に御教示賜わり、秘伝を伝授して貰って来るのじゃぞ」

弥勒「へいへい」

帝釈「TEAM-ZENJINの名を汚すことなく全力で戦って参られよ
くれぐれもトール殿に宜しゅうお伝え下され」

弥勒「へいへい」

帝釈「んだば、後は頼む!!」

 

 

 

8月13日(水)午前0:00
<帝釈屋敷御迎え>

 

秀「行くでぇ~」

帝釈「御迎えの儀、忝う御座いまする<(_ _)>」

秀「これから大崎君迎えに行くからね
とりあえずタックル積んじゃって」

帝釈「相分かりまして御座いまする」

秀殿「おっと、紹介するよ。彼は俺の友人の笹君ね」

笹「どうもどうも、よろしくね♪」

帝釈「こちらこそ。雷魚は素人ですので、何卒宜しゅうお願い致しまする」
<(_ _)>

 

この笹殿、雷魚のみを狙い年間釣行回数100日を越える
自他共に認める、無類の雷魚マン。

 

帝釈「自分、雷魚タックル持ってないんで
黒鱒用の一番パワーのあるやつ持って来たんすけど」

笹「あぁ~これじゃお話にならないなぁ~」

帝釈「マジすか!?( ̄△ ̄;)」

笹「うん。このロッドじゃ一発で折れるよ
んで、このリールじゃ一撃でギアが飛ぶよ♪
俺の貸してあげるからさ。(´ー`)」

帝釈「う~む、恐るべし雷魚パワー( ̄ー ̄;)

 

 

自らの持つ最強パワータックルを、あっさり却下された帝釈
少々腑に落ちないながらも、笹殿は筋金入りの雷魚マン。
仰せの通りにすることにした。

 

途中、こちらも秀殿の友人大崎殿をピックアップ
4人を乗せた秀殿の鉄馬ハイエース号は
東京外環道から、一路越後へ出陣した。

外環大泉から関越道へ鉄馬を向け、順調に北上を開始した。

 

しかし走ること約2時間半、やっと本庄児玉ICを過ぎた時・・・。

 

秀「ぬぉぉーーー!!!
(|||ノ`□´)ノオオォォー!!」

 

帝釈「なんスカなんスカ、なんなんスカ!?」

秀「ギアが飛んだみたぁ~い!」

大崎「うそぉ~~~!!!!」

秀「だって4速以外、ブンブン言うだけで
全然進まねぇもんよぉ~!」

 

辛うじて4速は生きていたが、他のギアに入れるとエンジンが唸るのみで
エース号は失速の一途を辿る。

 

大崎「と、とにかく次のSAに入りましょう!」

笹「そこまで持つんか??」

 

 

関越道を疾走していたエース号は、
4速ギアを残して全てのギアがブッ飛んだ!
(゜∇ ゜)ブヒャヒャヒャヒャ

最寄の上里SAまでどうにかこうにか辿り着き、JAFを呼び待つこと40分…。

 

JAFの人「ダ~メだなこりゃ~ここではどうにもならんよ」

秀「そんな事言わずに、そこをなんとかぁ~」

JAFの人「お盆で修理屋も休みだしの~仮に修理出したとしたって
おたくさん達は電車で帰ることになるし、盆明けに車を引き取りに来なきゃ~
ならんのよ。いいのそれでも?」

 

大崎「帰るってったって4速しか使えん車で帰れっかな~」

帝釈「高速はまだいいとしても、一般道どうします?
信号のたびに4速発進すか?
しかも上り坂の途中に信号があったらアウト!

笹「でもこのままでもしょうがないぞ~」

 

秀「帰るしかあるまい…(T―T)」

 

車の持ち主の秀殿の決心で千葉へUターンが決定。
しかし、高速は4速オンリーでクリアしたとしても、
一般道は帝釈が言う通りヤバすぎる。
正に勝負!!!!

先程までの意気揚々っぶりはどこへやら
エース号内は、暗澹たる雰囲気が充満した。
それも当然の事、帝釈はオマケでついて来ただけだが、
他の御仁等は心からこの遠征を楽しみにしていたのだ。
そこで帝釈が一計を案じ、進言。

 

帝釈「もし皆様方に未だ闘志御座いまするならば
一旦千葉に帰陣の後、それがしの毘沙門号に乗り換え
再度出陣の儀、いかがに御座りましょうや」

秀「いいの?」

帝釈「それがしの様な者をお連れ下さった皆様に、
せめてもの感謝の気持ちに御座る」

笹、大崎「流石は武士!!!!」

秀「ホント悪ぃねぇ~」

帝釈「なんのなんの、ではとにかく無事故で一旦帰陣致しましょうぞ」

 

秀「ちょっと電話しなきゃ、プルル…
あ~俺だけど赫々云々で、かなり遅れるけど待っててね~」

帝釈「誰すか?待っててって何処で誰を?」

秀「いやさ、桐ちゃん知ってるでしょ?」

帝釈「あぁ~ガーゴイルのドラマーっすよね」

秀「そうそう。彼はツアーで岐阜にいて
終わったら現場で合流する手筈だったのよ」

帝釈「そうなんすか。んで桐ちゃんは今どこすか?」

秀「もう現場に着いちゃったって…(^^;」

帝釈「マ、マジすかーーーー!?!?」

 

帝釈「ヤバいじゃないすか!!早く行ってやらねぇと!!」

秀「そうなんだよね。しかも彼、明日は予定があって
今日しか釣り出来ないんだよね…(^^;」

帝釈「( ̄▽ ̄;)」

 

帝釈愛鉄馬【毘沙門号】の出馬なくば、桐ちゃんの運命は
いったいどうなっていたのか。
とにかく急いで戻ることにした。

高速は奇跡的に何事もなくクリア。
しかし一般道は予想どおり困難を極めた
上り坂を避けて迂回に迂回、だが遂に一箇所長い上り坂につかまった…。

 

秀「ハイみんな~行くよ~!せ~のっ♪」

一同「重めぇーーー!!!」

 

皆で押した…
とても恥ずかしかった…(-_-;

 

秀殿のいきつけの修理屋を叩き起こし、格納後
車を借り、帝釈屋敷に毘沙門号をとりに行き、再び修理屋へ。
エースから毘沙門へ全ての荷物を積み替え、いよいよ再出陣。
午前8時を過ぎていた。

 

帝釈「行きますよぉ~」

一同「うぃ~」

 

 

 

帰省ラッシュの関越道、渋滞は35キロ!!
此度の遠征に誘って頂いた御礼にと、毘沙門号越後までの運転を
帝釈が一人で乗り切った。

ヘロヘロになって越後に着陣したのは時すでに午後3時。
散々待たされた桐ちゃんは、最高の笑顔で迎えてくれた。
流石はプロミュージシャンの鏡、どんな理不尽な状況でも涼しげな笑顔だ。

帝釈「俺には分かるよ桐ちゃん!!」

 

 

笹「さて、とっとと始めようぜ」

一同「うぃ~」

まずは記念撮影
左から笹殿、帝釈、秀殿、大崎殿

皆タックルを準備し、思い思いの場所へ散っていった。
帝釈は笹殿にタックルをお借りして、雷魚釣りの基本を伝授して頂く。

 

帝釈「ひえぇ~全てがゴツ過ぎる!!」

笹殿「このくらいないと歯が立たないのよ♪(´ー`)」

 

お借りしたタックルのパワフルさに帝釈は度肝を抜かれた。
リールこそ昔帝釈が使っていた物がベースであったが、
それでも随所に見られる強化パーツには目を見張るものがあった。

ロッド、ラインに至っては、帝釈の想像を遥かに越えていた。

ロッドは、もはや鉄柱の領域(笑)
ラインはPE100lb!!これはもう凧糸だ(爆)

 

帝釈「恐れ入りましたぁ~<(_ _)>」

 

基本を伝授して頂いた帝釈は、あまりの強靭なタックルに怯みながらも
そこはそれ、黒鱒で鍛えた経験と知識で雷魚に勝負を挑んだ。

 

帝釈「さてさて、どうすっかなぁ~
初めての場所だし、雷魚の習性もよく分かんねぇしなぁ~
とりあえず雰囲気よさそうな所を探すかな」

帝釈「おっと、ここ良さそうじゃん♪
葦際からヒシ藻が広がり、水も悪くなさそうだわ」

 

30分経過…

 

帝釈「ダメだなこりゃ、移動移動。はい次はい次」

帝釈「おっと、ここ良さそうじゃん♪
さっきと同じような感じだけど」

 

更に30分経過…

 

帝釈「ダメだなこりゃ、移動移動。はい次はい次」

帝釈「おぉ~あそこイイなぁ~!
ん~でも足場が湿地ズブズブで入れんぞ…
おぉ~~あそこも良さそうだぁ~!
ありゃ、ここも入っていけんぞ…
あ゛~これだから陸っぱりはストレス溜まるんだよなぁ~」

 

普段ボートでばかり釣りをしている帝釈は、足場の悪い湿地や
あまりに背の高い葦が群生して、思ったところに投げられないので
無性にイライラしてきた。

 

帝釈「こりゃウエーダーがないと話にならん。
足場の良いところなんぞ、皆投げまくっとるだろうからどうせ釣れぬわい!」

 

遠くヨダレの出そうなイイポイントを、指を咥えて眺めながら
一人で文句を言っている帝釈のところへ笹殿がやって来た。

笹「釣れた?」

帝釈「ぜ~んぜん
笹殿は釣れたんすか?」

笹「50㎝くらいの一本獲ったよ♪」

帝釈「おぉ~流石は雷魚マスター」

笹「今日はあんま良くなさそうだよ、もう少しやってダメだったら
近くにも一つ池があるからそこ行こう♪んじゃまた後でね~」

 

流石は雷魚捕獲に命を賭ける笹殿、すでに一本ゲットしていた。
その後再び歩きまくり、いろいろと場所を変えトライしてみるも
帝釈のフロッグはピクりともしない
とにかく、投げるに投げれぬ場所が多く、イライラ(~_ーメ)はピーク。

 

帝釈「ぐぞーーー!!
このまま当たり前の場所ばっかやってたところで
集中力が続か~ん!!」

 

秀「お~い」

帝釈「おぉ、秀殿。釣れた?」

秀「釣れん!」

帝釈「ヾ(@^▽^@)ノ俺も釣れませぬ~」

秀「でも帝釈は流石に黒鱒長いから投げるの上手いのぅ♪」

帝釈「有難き御言葉。<(_ _)>
しかし、投げたい所に投げれん陸っぱりはどうにもこうにも…」

秀「確かにのぅ」

 

帝釈「お!あそこは良さそうで御座るぞ!!」

秀「あぁ~あそはさっき俺がやったで~」

帝釈「そうすか…(-。-) ボソッ
でも良さそうだからやるっす!」

秀「頑張りや~」

 

秀殿が叩いた後ではあったが、
帝釈からして非常にソソられるポイントだったので
ダメもとでフロッグ投入。

その瞬間!

 

「バシッ!!!」

その音は、この前TVでやっていたワニ特集で
投げ入れられた肉に喰らいつくワニの顎の音とそっくりだった。

 

帝釈「どわぁ~~~!!
凄ぇ~~音ぉぉ!!」

 

50m以上離れた場所で投げていた秀殿の所まで、その音は響いた。
秀殿がすかさず駆け寄ってくる。

秀「そこ俺が散々叩いたのによぉ~」

 

あまりの衝撃的な捕食音に、一瞬怯んだ帝釈であったが
後頭部が地面に付くほどに全体重をかけ、
強烈な【ノケ反りアワセ】をくらわす。

 

帝釈「ナメんなこの
ワニ野郎ーー!!」

秀「おいおい、雷魚だよ雷魚…(^^;」

 

帝釈「ケッ、この俺様の【ノケ反りアワセ】で乗らん魚はおらん!」

 

強烈な帝釈のアワセに完全にフックアップされた雷魚であったが、
凄まじい力で応戦する。
ヒシ藻の中に突進するかと思えば、一気に反転し沖に向かって
猛然と走る走る!!

もはや帝釈の顔に先程の余裕は消えていた。

 

帝釈「マジやべっなんなんだこのパワーは!!」

秀「凄ぇ~だろ~ψ(`∇´)ψ」

 

帝釈はこの時、笹殿が出掛けに言っていた

「このタックルじゃ話にならないなぁ~(´ー`)」

の意味が初めて分かった。

 

帝釈「凄っげぇ~~!!
なんだこの力は~~!!!」

帝釈「確かにこりゃ俺のタックルじゃ話にならんわ」

 

帝釈の大騒ぎを聞きつけ、桐ちゃんも駆け寄ってきた。

 

桐ちゃん「おぉ~~デカイんじゃないすか~~!w(゜o゜)w」

帝釈「分かんないけど凄いよこりゃ~( ̄- ̄;;;;」

 

 

格闘する事5分。ワニを、否、雷魚を遂にウィードから引きずり出し
最後の抵抗に備えて全神経を集中。

岸から5メートルくらいのところで雷魚は予想どおり最後の逆襲
帝釈の体が前のめりになるほどの勢いで、沖に向かって突進した。
しかし体力もそこまで、渾身の力で引き寄せPOWER GAME OVER。

 

 

ぃいやりました!!

雷魚 77cm
【秀殿に借りたフロッグ】
コメント:
あいや~凄かったっす!!
捕食音がした瞬間、マジでワニかと思ったっす(爆)
魚にパワー負けはしませんが、とにかくウィードから引きずり出すのが大変ですわ。笹殿の仰るとおり、ワシのタックルじゃ話になりませんでした。
雷魚君をナメてました…すみません。<(_ _)>
DANGER
調子こいてエラの奥まで指を入れたら、ザックリいってしまいました。
雷魚君には注意致しましょう。マジ痛ぇ…。

帝釈「ふ~っ疲れた…(^。^;)」

秀「あそこはさっき俺がさんざん投げたのによぉ~ヾ(。`Д´。)ノ彡☆」

帝釈「運ですよ、只のウ・ン(^_-)—☆Wink」

秀「なんかムカツク…(# ̄З ̄)」

 

その後、誰~も釣れなくて時間は午後6時。
近くにもう一つ池があるというので、笹殿の案内で皆移動。

日も暮れて殆どフロッグが見えなくなってきた時
またしても帝釈がシャウト。

 

帝釈「キターーーー!!!!!!」

秀「マジで?!何この人…」

帝釈「あぁ゛ーーー!!バレちったぁ~」

秀「やい帝釈!お前雷魚やったことあんだろ!!(ノ`△´)ノ」

帝釈「ナイっす!<(`^´)>」

笹「帝釈君はすぐに上手くなるぞ!」

帝釈「有難き御言葉、恐悦至極に存じまする。<(_ _)>」

 

結局真っ暗になって初日終了。
新潟市内で飯を食い、桐ちゃんとはここでお別れ。

 

帝釈「バンド頑張ってね~(^o^)/~~」

桐ちゃん「は~い♪」

 

 

その後4人で市内のビジネスホテルに入り
明日の打ち合わせ後、各々の部屋で疲れを癒す。

 

 

 

8月14日(木)午前4:30
<起床>

 

帝釈「あぁ~眠ぇ~っみい
今日は雨降るって言ってたなあぁ~」

 

 

8月14日(木)午前5:30
<戦闘開始>

 

 

8月14日(木)午後6:30
<戦闘終了>

 

全員デコ!!!!!(激爆)

 

 

 

【帝釈コメント】

とにかく最悪でした…
途中3回ほど凄まじい捕食音とともにバイトがありました。
1回目のバイトは、得意の【ノケ反りアワセ】を食らわせたところ
フォアグリップを支えた右手が弾き飛ばされてしまい、
フッキングがあまくてバレてしまいました。

もの凄い重量感でした。マジで右手が飛ばされましたから。
昨日釣った魚より確実にデカかったです!!(ToT)

あとのバイトは出方こそ凄かったけど、フロッグにはカスリもしませんでした。

もっと上手く食いやがれ!!

 

 

途中で雷魚マスターの笹殿が、池から突如消えました。
あとで聞いたら、今日はダメだと早々に見切り
近くのパチンコ屋でスロット打ってたみたいです。

ある意味、凄いエリア眼だと思いました(爆)

 

以上です。((( T_T) トボトボ

 

 

 

8月15日(金)午前2:30
<帝釈屋敷帰陣>

ホント疲れたので寝ます。
オヤスミなさいませ… ( ̄q ̄)zzz

 

 

2003・8・13.14
越後 某野池遠征軍 結果

名前 魚・尾数
帝釈 雷魚 1